今回はホラー映画と占いのちょっとした共通点をご紹介!
皆さん、ホラー映画お好きですか?
私はどちらかと言えば抵抗なく見れる方なのですが、日本のホラー映画は苦手...。ちょっと不気味な演出や背筋を這うような恐怖感がジャパニーズホラーには...ありますよね。
比較的占いが好きという方は、ホラー映画にはあまり抵抗がないよ、とおっしゃる方が多い印象なのですが、実は占いと縁深いジャパニーズ映画があることをご存知でしょうか。
その名は「リング」。松島奈々子さんが主演で世界に衝撃を与えたジャパニーズホラーの代表格です。
すでに欧米で「RING」としてリメイクされたり、3Dになったりと世界的に知名度が高い作品です。
リングに出てくるのは女性の幽霊「貞子」ですが、彼女の活躍もめざましいもの。東京の渋谷でスクランブル交差点を練り歩いたり、握手会をしたり、始球式に出たりと、メディアの露出が多くなっています。近年では他のホラー映画の出演者(?)「伽倻子」さんと対決をしたりして、若干「親しみやすさ」がにじみ出てきていますね。
そんな貞子は完全なフィクションです。しかし、彼女の母親の「山村志津子」はなんと実在のモデルがいたという事をご存知でしょうか?
そしてその人物は、今の「霊感占い」の始祖であることはあまり知られていない事実です。
今回は、そんな貞子のモデル「霊感占いの始祖との呼べる御船千鶴子さん」をご紹介していきますのでどうぞお付き合いくださいね。
明治19年(1886年)生まれで、千里眼の持ち主です。彼女は熊本の治療院で姉夫婦の手伝いをしつつ、霊視能力で患者の悪い部分を見つけたり、それを言い当て人助けをしたりして生活をしていたようです。
そしてその噂を聞き付けた東京の帝国大学助教授の福来友吉(すごい名前...。)さんが、その能力を科学的に調査することを申し出たのだとか。
彼女こそ、日本で初めて超能力を科学で暴くという試みに選ばれた人物でした。
彼女の生い立ちについても興味深い記述が残っています。
それは超能力が発生した経緯。実は年の離れた兄がおり、千鶴子さんが17歳の時におもむろに催眠術をかけたのだとか。それがきっかけで千鶴子さんの中に眠っていた超能力が呼び起されたというのですから驚きです。何がすごいってこの兄妹の潜在能力レベルですよ。催眠術もそれなりのコツがあるそうですから兄弟そろってどんな特技を持っているのか...!
そして、兄の催眠術をうけた日を境に徐々に自分の能力をコントロールできるようになってきた千鶴子さん。22歳になると本格的な透視能力を手に入れることに!
付いたあだ名が千里眼。これだけで並大抵の透視能力ではなかった事がうかがえます。
実は千鶴子さんが千里眼に気づいた事件というのも、涙なしには語れない壮絶なエピソードでした。
それがこちら、『旦那の財布の中から、銭がなくなっていたんです。お義母さん...。』事件(仮名)
千鶴子さんが22歳の時、当時陸軍の偉いさんだった旦那さんの財布から、50円がなくなり、千鶴子さんは旦那さんのために見つけてあげたいと力を使いました。
そこで初めて現れた能力が千里眼。そして見えたビジョンは...姑の手によって仏壇の引き出しに隠されているというショッキングな物。
見事姑の悪事を言い当ててしまった千鶴子さん。
事実、50円玉が出てきて、ちょっとした修羅場に...。すると姑は「私を疑うとは何事かっ!」と怒り狂い、まさかの自殺。からの離婚。
千鶴子さんの千里眼の開眼にはそんな悲劇的な事件が隠されていたのです。
千鶴子さんはこの能力と共に人間のもろさや汚さを同時に視ていたのかもしれませんね。見えてしまうというのはそれだけ重荷を背負うという事かもしれません。
しかし彼女は臆することなく、人のためにこの能力を使いました。
『木の下にいる虫、そして失くしてしまったものの場所をピタリと言い当てた』
日常的にものを無くす私には羨ましい...!
『人の体を見て病巣を言い当てたり、実際にヒーリングをして治癒してあげた。』
これは今でいう霊感ヒーリングですね。
『炭鉱を見つけて謝礼2,000万円もらう』
なんてエピソードも残っています。
分かったことをきちんと教えてあげるのが千鶴子さんの人の好さですよね。私だったら自分のものにしちゃう。徳川の財宝とかこっそり掘り返しまくって豪遊しちゃいますよ。まぁ、こんなだから超能力がないんでしょう。世の中上手くできています。
そんな千鶴子さんの名前が全国に轟くようになり、その噂を聞きつけて福来博士が訪ねてくるのですが、博士との出会いは彼女の運命を大きく変えてしまいました。
そして福来博士の「研究」の申し出を受け入れた千鶴子さんは、彼と共に様々な実験し、それをことごとく成功させてしまいます。
福来博士は明治43年9月に東京で高名な学者たちを集めて実験を行う事にしました。
そして当日、実験は成功したにもかかわらず、集まった学者たちから口々に「インチキ」だと罵倒されてしまったのです。
その根拠は「すり替え疑惑」。
つまり、透視に使っていた紙をすり替え、さも千里眼で見抜いてたかのように演出していたのではないかと疑われてしまったのです。
千鶴子さんにとってはたまったもんじゃありません。
こっちは実験に協力してあげて、わざわざ熊本から東京に出向いてあげたのに。いきなりインチキ呼ばわりされるなんて納得がいくわけないじゃないですか。
もちろん彼女はすり替えなど行っていないと断固否定しますが、学者は彼女を猛批判。
その後、何度も公開実験は繰り返されますが、千鶴子さんをとりまく世間の論評はあまりよろしくなく、そして思い悩んだ彼女は明治45年11月18日、「重クロム酸」という毒を服用し、翌日の19日に24歳という若さで亡くなってしまったと言います。
「映画リング」を思い出してみてください。「貞子」の母親、「山村志津子」が科学者に囲まれて実験をしていたシーン、ありましたよね...。
山村志津子のモデルは御船千鶴子さんだったのです。虚構の世界のはずなのに、妙なリアリティを醸し出す演出に背筋がさむくなりませんか?
彼女に娘がいたのかは不明ですが、彼女の家系の能力を考えてみると、もし娘が居た場合、母に劣らぬ超能力を有していても不思議ではありません。そして彼女の死…何か現世に強い思いがありそうではないでしょうか。そういった発想から映画「リング」の貞子は生まれたのかもしれませんね。
もう一つ、「ホラー映画」になりうるエピソードとして、福来博士と会うまではその能力を人の為に使い、平和な生活を送っていた千鶴子さんでしたが、実は「家族間の不和に悩んでいた」という側面があったようです。「千鶴子さんの能力がお金になる」という事に目をつけた義兄と実の兄の間で、千鶴子さんの取り合いが繰り広げられていたそうで…。
そういった事に疲れ切っての自殺だったのかもしれないと彼女の死の真相については噂されています。
強い恨みを残したかどうかはさておき、霊感占いの始祖という輝かしい実績の持ち主であった御船千鶴さんは、悲痛な体験を重ねた、悲劇の霊能力者だったという点は紛れもない事実のようです……。
と、ここまで語ってきましたが、見たがりの怖がりである私。こちらの記事を書く間も終始部屋の四隅が気になり、ついに耐えきれなくなって喫茶店で執筆をしています。
やはり人がいる空間は落ち着きますね。もうしばらく、部屋へ帰れそうにありませんが……。
本物の占い師というのは、やはり「誰かのためにこの力を使いたい」という気持ちが強いと思う占い師が多いのです。なので霊感のある人は怖いなんて思わないでくださいね!
きっと世の中の占い師もあなたの力になりたいと願っていると思います。現代の占い師についても特徴などをまとめていますので、よろしければご覧ください!
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